詩みたいなもの
餅をつく。
臼と杵を使って丹念に餅をつく。
一粒一粒の米がつぶされ、形を失う。
米はもうない。
そうして、餅ができる。
僕は興味を持つ。
これはいったい何だろう?
僕は包丁でこれを切ってみる。少し痛い。
餅は包丁を飲み込んで、尖った形になる。
僕は手でこれに触ってみる。少しくすぐったい。
餅は手垢がついて、薄汚れた色になる。
僕は虫眼鏡で餅を覗く。少し恥ずかしい。
餅は白い全面を見せるばかりだ。
僕はきっと中に何かが入っていると思い、中を開いてみる。
でも餅には、外だけがあるから中なんてない。
躍起になってこねくり回すと、餅は赤黒くなってしまった。
僕は水晶から水を垂らして、それをきれいに洗う。
そうして僕は餅に興味を失う。
それでも餅は何かを体にくっつけたがる。
だから瓶に入れておく。
やがて餅は体育座りを始める。
次第に熱を失っていき、そうして、それ以外の格好ができなくなってしまった。
そうして、それから?
もう、おしまい。